1日に解禁となった道南スルメイカ漁は一夜が明けた2日早朝、出漁した漁船が函館漁港などに戻り、初水揚げした。函館市水産物地方卸売市場ではこの日、前年同日より401キロ多い1489キロが競りにかけられ、初水揚げ量が2年連続で前年を上回ったことに、関係者がほっとした表情を浮かべた。水揚げされたスルメイカは早速市内のスーパーなどに並んだ。
1日午前に出漁した函館市漁協の函館小型いか釣漁業部会(佐藤豊次部会長、20隻)の18隻は、早めに漁を切り上げ2日未明に同漁港へと帰港。午前5時半の初競りに合わせ、船上で大きさを選別しながら出荷を急いだ。水揚げされたイカは水や墨を吐き、ピチピチと音を立てながら活きのよさを主張していた。
初競りでは1489キロのうち、いけすイカ637キロが1キロ当たり3700~4300円で競り落とされた。市場関係者は「昨年より安くなったが、それでもご祝儀価格には違いない。魚体は小さいが量はまずまずだ」と話す。同市場によると、この日水揚げされたスルメイカは、重量が50~60グラム(昨年60~70グラム)。胴長も13~15センチ(同約20センチ)と小ぶりな魚体が多かった。いけすイカ458キロを競り落とした二階商店(豊川町)の二階公人主任は「サイズは昨年よりもさらに小さくなっていたが、これからの漁模様に期待したい」と話していた。道南スルメイカ漁は来年1月末まで、漁場を変えながら続く。
初水揚げされたイカはすぐに市内スーパーなどに並んだ。このうちマックスバリュ石川店(函館市石川町226、藤波健店長)でも鮮魚コーナーにずらりと並び、買い物客が手を伸ばしていた。藤波店長は「今年も鮮度のよいイカが入荷しました。ぜひご購入を」と呼びかけている。
昨年は同部会の10隻が出漁し1088キロを初水揚。いけすイカは518キロで、1キロ当たり7000円の高値を付けた。(野口賢清)