道南いさりび鉄道(函館市若松町、小上一郎社長)が所有し、塗装を旧国鉄カラーの「朱色5号」に変更したキハ40系気動車が2日、運行を開始した。大勢の鉄道ファンが乗車し、懐かしい色に生まれ変わった車両での小旅行を楽しんだ。
同車両は1979年、旧国鉄が「タラコ色」「柿色」とも言われる色で運行を開始。JR北海道に移行後は白と緑に塗り替えられ、車両を譲り受けた同社がそのまま運用していた。
この日は函館午前10時40分発木古内行きの列車で運行開始。国鉄時代をほうふつとさせる車両に乗ろうと全国各地からファンが訪れ、カメラに収めた。函館市松川町の販売員、中里俊之さん(44)は「学生の頃に走っていたが、もう一度会えると思っていなかったので感慨深い」と笑顔。
列車は50人近い乗客を乗せて出発。上磯―茂辺地間では記念乗車証が配られた。今後も定期列車で運用する。同社経営企画部の勝又康郎専任部長は「この車両が登場した時に若かった方々に再度乗っていただき、かつての青春時代を謳歌してもらいたい」と話している。(千葉卓陽)