道南スルメイカ漁が解禁となった1日、函館(入船)漁港から津軽海峡西口の漁場を目指しイカ釣り漁船が出漁した。漁業者らは豊漁への期待を胸に夜にかけて漁を行い、2日未明に帰港する。
同漁港では函館小型いか釣漁業部会(佐藤豊次部会長、20隻)所属の漁業者らが、朝から出港準備に追われた。午前8時20分ごろから続々と動き出し、家族に見送られながら16隻が漁場を目指して船を走らせた。男性漁師(59)は「昨年も初日は全く獲れなかった。それでもこればかりは行ってみるしかない」と、不安を口にしながら後に続いた。函館市水産物地方卸売市場で2日早朝、初水揚げされたスルメイカの初競りが行われる。
水産研究・教育機構が公表した日本海沿岸域のスルメイカの長期予報(5~7月)によると、来遊は前年並みとみられており、道南スルメイカ漁の解禁直後は、低調な滑り出しになるとの見方もある。
市のまとめでは、昨シーズンの同市場での生鮮取扱量(昨年6月~1月末)は前年同期比8・6%増の1622トンで、2005年度以降過去最低だった16年度からわずかに回復したものの、低水準で推移した。(野口賢清)