函館市内の高等教育機関でつくる「キャンパス・コンソーシアム函館」(CCH)は今季、函館の歴史、文化などの魅力について理解を深める市民向けの合同公開講座「函館学」の一部を無料で開催する。加えて、加盟校が従前から実施している公開講座を函館学とし、各校の特色が生かされた講座を受けられる機会を提供しながら、受講生の掘り起こしにつなげる。
市内の大学、短大、高専計8校で構成するCCHの公開講座は2005年に始まり、函館、道南を切り口とした各校のさまざまな研究を「函館学」として講演。年間6~7回実施しており、昨年は6回で、1回当たりの受講料は800円だった。有料化は11年からで、09年に延べ受講生数が1789人のピークを迎えて以降、11年670人、17年294人と年々減少していた。
受講生の増加を狙い、今年はCCH主催の3講座を無料化。また、加盟校がそれぞれの学校で主催する5つの公開講座も「函館学」に取り込み、CCH主催の講座同様に受講した人には受講証明書を配布する。この5講座中、2つは無料とし、今後も加盟校主催の講座は増える予定。
CCH事務局は「これまでの函館学で受講できなかったような講座が加わり、一般の人たちに各学校のことをより広く知ってもらい、進学、就職を考えるきっかけにしてもらいたい」としている。
CCH主催講座の申し込み、問い合わせは同事務局(0138・44・4211)、ファクス(同4333)へ。ほか講座は各加盟校へ問い合わせる。(蝦名達也)
講座のスケジュールは次の通り。
◇CCH主催(無料)▽6月16日、函館短大=「温故知新 先人の実践を探る~先人の教育実践の特徴・実践知を読み解く~」(函館短大・三橋功一教授)▽7月28日、ロシア極東連邦総合大函館校=「ロシア人から見た函館と石川琢木、与謝野晶子の短歌」(ロシア極東連邦総合大函館校・スレイメノヴァ・アイーダ准教授)▽12月1日、函館大=「日本中世の貨幣をめぐる諸問題」(函館大・田中浩司教授、函館高専・中村和之教授)
◇加盟校主催(北大水産学部の3講座は1回1000円、ほか2講座は無料)▽8月18日、北大水産学部=「海の巨大な渦 海の中にも高気圧と低気圧がある」(北大大学院水産科学研究院・上野洋路准教授)▽8月25日、同=「凍る海のプランクトンと環境変動」(同・松野孝平助教)▽9月1日、同=「紅い海藻を科学する」(同・岸村栄穀教授)▽9月23日、函館アリーナ集合=「まちあるき講座 函館の湯川をブラブラしよう!」(函館高専・奥平理教授)▽10月27日、函館大=「絵本から学ぶ英語の基礎」(函館大・西前明専任講師)