新潟市で起きた小2女児殺害事件や函館市内で不審者情報が急増していることを受け、函館市教委は18日、緊急の安全対策会議を市役所で開いた。子どもや女性を狙った声掛け、容姿撮影、公然わいせつなどの犯罪が多発している現状を共有。市教委は、全ての学校で作成している通学路安全マップを見直すよう働き掛ける方針を示した。
道警函館方面本部生活安全課によると、函館中央署、西署管内の不審者情報は今年1~4月末現在で計61件。前年同期比15件増となっており、5月に入っても声掛け、公然わいせつ事件が後を絶たない。
対策として、通学路を点検し危険な環境を除去する▽情報の共有と伝達手段の確認▽道警の「ほくとくん防犯メール」を登録する▽防犯カメラの整備―が有効だと提案した。
中央署生活安全課は、子どもができることとして「行かない、乗らない、大声を出す、すぐ逃げる、知らせる」の頭文字を取った防犯標語「いかのおすし」の徹底を呼び掛けた。また、子どもが持つ防犯ブザーの正しい使い方を覚えるよう指導してほしいと要望した。
参加者からは「下校時刻をそろえ、児童が一人で帰らないよう工夫している」「たくさんの大人の目が犯罪の抑止力になる」「防犯協会とPTAの連携が欠かせない」などの意見があった。市市民部は、市ANSINメールで加入者に送信した不審者情報が2017年度は99件あり、今年度は5月17日現在で18件に上ることを明らかにした。
会議には警察や防犯協会、学校、PTA、行政から18人が参加。函館にとどまらず道南各地で同様の事案が発生しているため、北斗市教委も加わった。函館市教委の辻俊行教育長は「現実がどうなっているのか情報を交換するとともに、見守り活動を見直す機会にもなれば」とあいさつした。(山崎大和)