【福島】総菜大手のヤマザキ(本社・静岡)子会社「北海シーウィード」のコンブ加工施設がこのほど完成し、4月から本格稼働に入った。コンブ養殖の副産物として発生する間引きコンブを総菜原料に加工し、6月までに乾燥重量で40トンの出荷を目指す。
新加工施設は、長さ50メートル、幅15メートルの鉄骨ビニールハウスで、コンブを吊るす台車とボイラー乾燥設備を備える。台車は同社の要望に応じて函館市の業者が専用に設計した。
北海シーウィードは昨年、福島漁港内で間引きコンブの加工を試行し、約10トンを生産。生産されたコンブは静岡のヤマザキ工場で加工され、「もう一品」シリーズのパック詰め商品として全国に出荷されている。原料が今年出荷分に切り替わるのは夏ごろになる見通し。
新施設では花田剛主任と地元採用のパート従業員20人が作業する。福島吉岡漁業協同組合から買い取ったコンブを洗った後、台車に吊り下げて水気を切り、細かく裁断。さらに天日とボイラーで乾かし、10トンたまったら出荷する。
間引きコンブは、従来は廃棄されることが多かったが、柔らかく煮物などに向き、うま味も豊か。同社役員でヤマザキ専務の杉本正美さんは「昨年発売したコンブ商品は、消費者にも好評だ。今後、作業効率をより高め、採算性の高い事業に育てていきたい」と話している。(神部 造)