NPO法人函館アフリカ支援協会(中川俊男理事長)は、足踏み式のミシンを集め、アフリカ・ウガンダに送る活動を始めた。洋裁の技術を持つ女性たちが活用し、生活の安定につなげるといい、3月に函館市内で1台の寄贈を受けた。引き続き、地域での協力を呼び掛けている。
ウガンダはアフリカ東部の内陸国で、首都カンパラは経済発展が進む一方で、農村部との格差も広がっているという。同協会はこれまでに現地NGOを通じて寄付金を送り、子どもたちの教育を支援してきた。
石田耕造副理事長は、昨年末に同国出身で公立はこだて未来大学准教授のドミニク・バゲンダさんと会った際に、現地の女性たちがミシンを自転車の荷台に積んでマーケットに行き、その場で洋服の注文を受けたり、小学校の制服を作って収入を得ていることを聞いた。石田さんは「ミシンや編み機があれば現金収入になるが道具がない。農村では害虫駆除のための噴霧器や耕運機なども足りていないと聞いた」と話す。
中川理事長が3月11日、江差追分会声徳会支部(内村徳蔵支部長)のチャリティーコンサートのあいさつでこの話題について触れたところ、後日、万代町の永澤勝平さんから同会に連絡が寄せられた。中川理事長らはバゲンダさん夫妻とともに同20日にミシンを受け取りに行った。
ミシンはしばらく使ったことがなく、ベルトが切れていたが交換すれば稼働できる状態。万代町会長でもある和枝さんは「眠っているミシンはあると思う。函館の地域福祉を考える会の活動もしているので、チラシでミシンのことを呼び掛けたい」と話す。
受け入れるミシンや編み機は電源を必要とせず、部品の交換など簡単な修理で使用ができる状態のもの。渡島・桧山管内であれば直接、受け取りに出向く。数がまとまった段階でバゲンダさんが現地に届けるという。中川理事長は「ウガンダの支援のため、家庭で眠っているミシンや編み機があればご協力をお願いします」と呼び掛けている。問い合わせは事務局=桑原さん(0138・54・0644)へ。(今井正一)