函館市恵山地域の観光振興を考える恵山観光施策ワーキンググループ(座長・奥平理函館高専教授)が26日、恵山温泉旅館で開かれた。恵山周辺の3宿泊施設が登山客向けの「恵山登山弁当(仮称)」を試作。今季の登山シーズンに向けて提供を開始したい考えだ。
市恵山支所によると、2017年4~11月の恵山登山道路の自動車通過台数を基にした恵山登山客の推計値は約8万6000人で、16年同期比で約1万5000人増加。本年度実施した観光プロモーションの成果で登山ツアーが組まれるほか、冒険船に分類される小型の外国客船誘致も続けている。
登山弁当は食の魅力と話題づくりの一環で開発を計画。恵山温泉旅館、石田温泉、ホテル恵風の3施設が協力し、▽山菜を使ったご飯▽海産品を取り入れる▽販売価格700円程度-といった共通の条件で、工夫を凝らした。恵山温泉旅館と石田温泉はそれぞれおにぎりを主食に、さきいかの天ぷら、タコの唐揚げなどを入れ、レストランでの提供を想定した恵風は刺し身も取り入れ、いずれもボリューム感十分な内容となった。
日本山岳会会員でもある鎌鹿隆美さんは「弁当は山の楽しみで、麓に販売する場所があるのが心強い。地元温泉のおかみや板さんが仕込んだというのはリピーター率が上がる要素だ」とし、リュックサックに入れやすく潰れにくいパッケージの工夫、朝・昼2食分のニーズへの対応、価格についても500円程度が求めやすいなどとアドバイスした。
会議では、青森公立大学の飯田俊郎教授が道南地域と下北地域が連携した周遊観光の可能性について話題提供したほか、恵山での地域ガイド養成に向けたテキスト素案が示された。(今井正一)