中小企業庁が選ぶ本年度の「はばたく商店街30選」に、函館朝市協同組合連合会(井上敏廣理事長)が選ばれた。函館市内からの選出は初めて。免税手続きなどを備えた総合カウンターを設置するなど、外国人観光客の需要取り込み策が評価された。
創意工夫を凝らした取り組みで地域の発展に貢献した商店街を同庁が表彰する制度。本年度は「インバウンド(訪日旅行)」「地域協働」「新陳代謝」「生産性向上」の4つの分野に分けて選定した。
年々増加する海外客のニーズをつかんで販路拡大を図ろうと、同連合会は2016年2月に道運輸局と共同でアンケートを実施。課題を洗い出し、同年9月に免税手続きを兼ねた総合案内カウンターを設置した。英語などが話せるスタッフを配置し、日本郵便と連携して購入品の海外発送も受け付けている。
その後も、訪日客の受け入れ態勢を着々と強化。昨年9月には中国の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休に合わせ、自国への持ち帰りの可否が分かるシールを作成し、商品に貼付。同年10月に12通貨に対応した外貨両替機を導入したほか、一部店舗ではスマートフォンアプリを使った中国の電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」などを取り入れている。
今後は、案内カウンターに常駐していた外国語を話せるスタッフが朝市を巡回し、各店の販売補助に当たる予定。26日、東京であった表彰式に参加した井上理事長は「まだ課題はあるが、外国人客が多くきてもらえるよう環境をさらに整えたい」と話している。(山田大輔)