函館音楽協会が、高水準の実績を示し、郷土の音楽活動の推進力となった個人や団体に与える本年度の奨励賞に、函館亀田中学校教諭の辻真紀子さんが輝いた。自身が指導する同校合唱部が、全国規模のコンクールで最高賞を受賞するなど、卓越した指導力が評価された。合唱指導に対する熱意と将来への展望を聞いた。
――奨励賞を受けた感想は。
名誉ある賞を頂いて、本当にうれしいです。でも一番頑張ったのは子どもたちであって、私はいかにして彼らにやる気を出させて、合唱の楽しさを気付かせるかをサポートする立場。応援してくれる保護者を含めて、みんなに贈られた賞だと思っています。
――こども音楽コンクールで、2年連続の文部科学大臣奨励賞(全国1位)という快挙については。
昨年の受賞も驚いたのですが、今年も受賞できるとは思っていませんでした。コンクールで結果を出すことが最終目標ではありませんが、自分たちが頑張ったことを評価してもらうのは、子どもたちにとっても大きな励みになるし、さらなるやる気につながります。これをきっかけに合唱に興味を持って入部してくれる人が増えてくれればうれしいです。
――全国的に若い世代の合唱人口が減少傾向ですが。
5年前に本校に赴任した当時は、部員は数人しかいませんでした。運動部を引退した3年生を引っ張ってきて人数をそろえてコンクールなどに出場していました。今は1、2年生だけで35人が所属し、ようやく安定してきました。函館全体の合唱シーンを盛り上げていけるように頑張りたいです。
――卒業後に合唱を続ける場所はあるのですか。
函館市内では合唱部が無い高校が少なくありません。そこで、一般合唱団「オレンジカルサイトアンサンブル」を立ち上げました。部活を通じて合唱の楽しさを知った人たちが、学校を離れても歌い続けられる場所をしっかり守っていきたいです。(小川俊之)
つじ・まきこ 1971年函館市出身。道教育大函館校中学校音楽課程卒業。深堀中で初めて合唱指揮し、全道大会で上位入賞。亀田中で2016、17年度こども音楽コンクール中学校重賞部門・合唱部門で文部科学大臣奨励賞を受賞。