急速に発達した低気圧の影響で、2日に函館を発着する空の便は欠航が相次ぎ、新函館北斗駅では予定を変更して北海道新幹線を利用する客らで混雑した。一方、函館―札幌間を結ぶ特急は終日運休となり、新幹線から駅に降り立った旅行客には困惑した表情が多くみられた。
この日は、東北新幹線に大幅な遅れが生じ、同駅に到着する便のダイヤが乱れた。同駅改札内のコンコースには、新幹線や在来線の乗り継ぎ列車を待つ利用客のために約100席の臨時の椅子が設けられた。
午後の新幹線の切符を同駅で急きょ買い求めた函館市の会社員、神田洋子さん(42)は、飛行機で羽田に向かう予定だったといい、「今日中に東京に着かなければならないので、時間はかかるが仕方ない」と諦め顔。
新千歳空港の欠航を恐れ、札幌から車で移動してきた利用客の姿も。東京の商社の会社役員(58)は「仕事で札幌に来ていたが社員が運転する車で6時間かかった。とんでもないことになったが、新幹線があってありがたい」と疲れ切った様子で話した。
一方、特急の運休を受け、みどりの窓口には切符の変更や払い戻しを求める利用客で長い列ができた。七戸十和田から新幹線に乗り、同駅で特急に乗り継ぐ予定だった青森県東北町の会社員、蛯名正人さん(64)は「用事で札幌に行くはずだったが、函館で1泊してから向かいます」と困った様子で話した。(山田大輔)