函館市民の除排雪に対する不満がピークに達している。市の緊急部長会議が2日、市役所であり、市土木部は生活道路を中心に雪にはまり走行不能になったとして1日だけで約730件の苦情があったと明らかにした。市幹部は非常事態と受け止め、統合で閉校する中学校のグラウンドに雪捨て場を開設することなどを指示した。
函館の今冬の最深積雪は82センチ(2月20日)で歴代4位。1~2日は急速に発達した低気圧の影響で暴風雨雪に見舞われ、生活道路が融雪し車が動かなくなるケースが続出した。
会議には約35人が出席。市民部は、くらし安心課に設置している「くらし安心110番」(回線数4本)に、2日午前中だけで100件の除排雪に関する苦情が入ったと報告。内容は「車が埋まっている」「灯油の配送車が来られない」「訪問介護サービスが提供できない」「救急車の走行に支障がある」「幼稚園への送迎が困難」など。土木部維持課への電話も掛かりにくくなっている。このほか、ごみ収集に通常より多大な時間を要していることや、給食の配送が心配だと声が上がっているという。また、道道函館南茅部線(鉄山―川汲)が雪崩のため28日から通行止めで、救急車の走行に懸念が出た。土木部は「排雪が追い付いていないため、除雪ができない」と説明した。
工藤寿樹市長は「人的被害を出さないことが一番大事だ。単身高齢者は民生委員や町会が連携し、しっかり見守ってほしい。立ち往生する車への対応は市も道路パトロールを強化する」と強調した。(山崎大和)