函館タクシー(函館市日乃出町、岩塚晃一社長)とIT関連企業のリバーマーケティング(同、小川佳也社長)は、タブレット端末やスマートフォンを活用し、タクシーを利用する外国人や聴覚障害者と、運転手との意思疎通を円滑にする「タクシー内コミュニケーション支援システム」の特許を取得した。今後は行政や観光関連企業などと連携し、実用化に向けた検討を進めていく考えだ。
システムは後部座席側に設置した乗客操作用のタブレット端末と運転手が持つ端末を近距離無線技術「ブルートゥース」で接続し、それぞれが入力した情報を送信できる仕組み。
最初に乗客がタッチパネルで英語や中国語などの言語を選択し、行き先情報を入力して運転手のスマホに送信する。目的地に着くと運転手がスマホを操作して乗客側のタブレットに表示させる。このほかにも観光名所や飲食・宿泊施設の情報発信も想定している。
函館タクシーでは2008年から、車内にDVDプレーヤーを設置して土方歳三に関するオリジナル映像や函館ロケの映画を流すなど、情報発信機器を活用したサービスに取り組んできた。今回のシステムは、増加する外国人観光客の受け入れ体制を充実させようとリバーマーケティングと検討を進め、14年2月に特許を出願、17年12月に登録された。
岩塚社長は「今後も増加が見込まれる外国人観光客や、聴覚障害の方へのホスピタリティー向上に貢献できるよう、活用に向けた検討を進めていきたい」としている。(金子真人)