函館バス(森健二社長)は3月15日、路線バスの運行情報を検索できるサービス「バスロケーションシステム」を一新する。多言語化を実現し、増加する外国人観光客に対応。バスの到着予測時間の正確性を高めたほか、車両の現在の位置などをスマートフォンなどで手軽に確認できるよう改善し、利用客の利便性向上を図る。
同社は道内のバス事業者に先駆け、2007年に同サービスを導入。携帯電話やパソコンのほか、主要約20カ所のバス停と公共機関を中心とした6カ所に設置する大型画面で、バスの到着予定時間などを知らせている。
ただ、サービス開始から10年以上経過し、機器の老朽化でバスの到着予想時間にずれが生じるなど、近年はサービスの質が低下。利用客の問い合わせや苦情が増えていたことから、新システムの導入に踏み切った。
到着時間の精度を高めるため、送信場所や天候に左右される現在のアナログ無線から、どこでも通信可能なIP無線に移行。バスを利用する海外客が増加していることを踏まえ、英語での案内を新たに加えた。スマホの画面では、利用するバスの到着予定時間と共に、直近で通過したバス停をイラストでわかりやすく表示する。
GPS(衛星利用測位システム)情報やランドマークを指定することで、最寄りの停留所の検索も実現。総事業費は7900万円で、国と市から半分程度の補助を受ける。
同社の内沢博昭バス事業部長は「サービスを活用することで冬に寒い外で待つ時間を少しでも減らし、利用客の時間の有効活用につながれば」と話している。(山田大輔)