道立函館美術館は20日、追悼特別展「高倉健」に合わせて、「三平汁&健さんトーク」を同館で開いた。1999年に道のPRポスター撮影のため鹿部町を訪れた高倉さんも食べたスケトウダラの三平汁が振る舞われ、関係者が撮影時のエピソードを紹介した。
イベントには約20人が参加。特別展鑑賞後に道の駅「しかべ間歇(けつ)泉公園」(鹿部町鹿部18)の「浜のかあさん食堂」で腕を振るう鹿部漁協女性部の平井悦子部長、柳澤朝子さん、中村彩子さん、原田則子さんが作ったスケトウとジャガイモ、ネギが入った三平汁と焼きたらこ入りの特製おにぎりを味わいながら、同町教委職員が当時の関係者から聞き取った撮影の経緯を紹介した。
ポスターは冬の漁港で高倉さんが三平汁を片手に笑顔を見せる構図。平井さんらには撮影への参加と、三平汁の準備の依頼があったが、高倉さんの来町は混乱を避けるため、一部関係者を除いて、当日まで伏せられていたという。
平井さんは「三平汁作って待っていたら、(高倉さんが来て)びっくりしました。『まさかー』という感じだった。健さんに『撮影って大変でしょ』と言われたのを覚えている」と話した。ポスターでは高倉さんの横に立ち、三平汁を渡す役だった原田さんは「(目の前の高倉さんに)『ポーッ』となっていて何を話したのか覚えていない」と笑わせた。
参加した七飯町の陶芸家松浦喜英さん(46)は「高倉さんの作品はあまり知らなかったが、道南にも来ていたのですね。三平汁はあっさりしていてスケトウダラの味もおいしかった」と話していた。(今井正一)