道南は14日夜から15日未明にかけて断続的な雪となり、気象庁の速報値によると函館で15日午前0時に最深積雪が81センチに達し、1872(明治5)年に「函館気候測量所」として気象観測を始めて以来、5番目の多さとなった。大雪の影響でJR函館線で除雪作業のため運休が相次いだほか、市内では除雪が間に合わない道路で渋滞が目立った。
函館で最深積雪が80センチを上回ったのは過去最大を記録した2012年(91センチ)以来。平年(28センチ)の約2・9倍に当たる。また、15日の降雪量は午後1時で4センチとなり、今冬の累積降雪量は平年の約2・8倍の440センチとなり1954年以降4番目の多さとなった。
このほかの最大最深積雪は、厚沢部町鶉(1982年観測開始)の155センチが過去最大(平年66センチ)となった。
今後も雪降りやすく 1カ月予報
道内は今後も雪が降りやすい日が続く見込みだ。札幌管区気象台発表が15日に発表した向こう1カ月の天候の見通しによると、寒気の影響を受けやすい日が多いことで、気温は平年より低くなり、日本海側の降雪量は多くなるとしている。
また、17~18日は北海道に接近する低気圧の影響で、渡島・桧山地方は暴風雪、波浪の大荒れとなる恐れがあり、気象状況に留意を呼び掛けている。
特急15本運休 交通機関に乱れ
JR北海道によると、14日夕から除雪作業を行ったが、15日は始発から運行ダイヤが大幅に乱れた。午後8時半現在、函館―札幌間の特急15本のほか、はこだてライナー11本を全区間運休。普通列車も21本を全区間運休、5本を部分運休した。函館―長万部間の普通列車2本は森駅―大沼駅間を駒ヶ岳経由に変更し約4時間半の遅れが生じた。
同日午後1時55分ごろまでに大沼―森間と森―八雲間の作業を終え、順次運転を再開したが、渡島砂原経由は運転を見合わせ。駒ヶ岳駅構内で発生した列車の進路を切り替えるポイント不転換は同5時35分ごろに復旧して運転を再開した。
このほか、特急2本や普通列車2本に最大約2時間42分の遅れが生じ、合わせて7700人に影響した。
JAL(日本航空)は15日、悪天候で函館―奥尻間1往復2便を欠航し、計16人に影響した。