函館港若松地区のクルーズ船専用埠頭(ふとう)岸壁建設工事を進めている松本組(函館市吉川町、大越雄司社長)は、市民や観光客が安全に工事を見学できるよう、現場近くに地上1メートルのステージを設置した。
岸壁は11万トン級の大型客船が停泊できるよう、函館開建が水深10メートル、長さ360メートルで計画。海中に鋼管杭を打ち込み、桁を架設していく桟橋方式を採用している。昨年11月に着工し、現在は工事を請け負う同社が大型の杭打船を使い、直径1・8メートル、長さ約60メートルの鋼管杭を海中に打ち込んでいる。
見学ステージは昨年12月上旬、若松町1の施設用地に設置した。道南スギを使用しており、完成予想図や工事概要を記したパネル6枚も展示している。
同社は、鋼管杭打設に使用する機械に防音装置を施したり、杭の位置や傾斜をリアルタイムで監視できる三次元自動測量システムを導入したりするなど、周辺環境に配慮した工事を進めている。工事担当者は「道内でもまれな大型工事のため市民や観光客の関心が高く見学者も多い。安全なステージから見学していただき、工事への理解を深めてもらいたい」としている。(金子真人)