北海道上空に強い寒気が入り、道南付近を低気圧が通過し大気の状態が不安定となった影響で、12日の渡島・桧山は大雪に見舞われた。気象庁の速報値によると、12日の降雪量は函館41センチ、厚沢部町鶉50センチ、七飯町大沼40センチ、八雲町熊石44センチを記録し、いずれも1月としてこれまでの最大となった。函館は年間を通じても過去3番目の多さ。
同気象台は11日午後3時25分ごろ、渡島東部・西部、桧山南部に大雪警報を発表。同日夜遅くから12日明け方までに警戒を呼び掛け、厚沢部町鶉では11日深夜から、函館市美原では12日早朝から降雪が多くなった。今回の大雪について、低気圧の規模が大きくないことで、道南でも一部の地域で雪雲が発生しやすくなったことや、低気圧の動きが遅いことで降雪量が増えたとしている。
函館で積雪のピークは52センチで、平年(18センチ)の約2・9倍に当たる。市内の幹線道路は軒並み渋滞となった。
大雪の影響で交通機関にも午前の便を中心に大きな乱れが出た。JR北海道は午後3時50分までに函館-札幌間の特急北斗、スーパー北斗の上下計10本、はこだてライナー上下計15本、函館-七飯、森、長万部間の普通列車18本を運休または部分運休とし、約3800人に影響した。
また空の便はJAL(日本航空)は函館―丘珠間の1往復と函館―奥尻間の1往復を欠航し、計108人に影響した。ANA(全日空)は函館―千歳間の1往復を欠航し、計120人に影響。AIRDO(エアドゥ)は函館―羽田間の1往復を欠航し、計204人に影響した。
ハートランドフェリーは大雪や海上しけの影響で午前8時15分奥尻発江差行き1便を欠航し、60人に影響が出た。
同気象台によると、13日の道内は冬型の気圧配置となるが、道南は曇りや晴れとなる見込み。引き続き雪の多い傾斜地でなだれに注意が必要としている。
幹線道路除雪に3~4日 函館市内
記録的な大雪を受け、函館市は12日午後から除雪に着手。特に降雪が多かった産業道路(道道函館上磯線)より北側の北美原と石川、桔梗地区の一部の生活道路で優先的に作業を進めた。
同日夜から主要幹線道路の本格的な除雪に入っており、市土木部維持課によると、完了まで3~4日かかる見通し。市内に設けられた雪捨て場では排雪を積んだトラックが何度も出入りしていた。
市民から除雪を求める要望や苦情も多数寄せられ、同日朝から午後3時まで「感覚的に200件くらい」(同課)の電話がひっきりなしにあったという。