航空とフェリー各社は本年度の年末年始の利用状況をまとめた。青函航路を運航するフェリーは北海道新幹線と比べて格安に利用できることなどから前年より数字を1割伸ばすなど好調だった。一方で函館空港発着の航空機は新幹線開業効果を見込んで機材を大型化した前年の反動で各社とも数字を落とした。
共栄運輸と北日本海運が共同運航する青函フェリー(函館―青森間)の12月29日~1月3日の利用者数は、前年比10・3%増の2585人。営業担当者は「前年度の年末年始も北海道新幹線の開業効果で大幅に数字を伸ばしていた中で、2次交通の整備や発信の強化がさらなる利用増につながった」としている。
津軽海峡フェリーの12月28日~1月4日の利用状況は、函館―青森間が同14%増の1万2000人、函館―大間間が同8%増の2600人と、ともに数字を伸ばした。同社は「航空機と連携したインバウンドの送客が好調だった。キャンペーンによる割引の効果も大きい」とみている。
一方、12月28日~1月3日に函館を発着した航空路線をみると、主要路線の羽田線は全日空が前年同期比18・1%減の1万849人、日本航空が同18・5%減の6988人、エアドゥが同2・4%減の3672人だった。
全日空と日本航空の函館支店はそれぞれ、旅客数が前年同期を下回った理由について、前年同期と比べて機材が小型化したことを挙げる。このうち全日空函館支店では「前年は北海道新幹線開業で函館に注目が集まったため、ある程度の需要を見込んで機材を大型化していた」とする。
ただ両社とも、提供座席数が減ったことで旅客数は減ったものの、利用率は前年同期並みを維持しており、「大きなマイナスにはなっていない」と分析している。(金子真人、野口賢清)