函館市は5日、2018年度のクルーズ客船入港予定を発表した。函館に初めて寄る船は、国内も初寄港となる米国ウィンドスター・クルーズ社の「スターレジェンド」(9961トン)など5隻。過去最も多かった14年度の延べ37回に次ぐ31回の入港予定があり、今秋に予定する若松埠頭(ふとう)の暫定供用に向けて弾みがつきそうだ。
寄港数は17年度の実績と比べて3隻増加。乗客と乗員を合わせた定員は約7万1000人で、このうち5万6000人程度の乗船を見込んでいる。
スターレジェンドは、最上級の「ラグジュアリークラス」の客船で、定員は372人。日本には沖縄、九州を皮切りに10~14泊で4回の寄港が計画され、夏の北米市場に配給される前に函館に入港する。
かつては別会社が「シーボーンレジェンド」として運航しており、市港湾空港部によると、この船名で函館に20年ほど前に寄港したこともあるという。同じく初寄港となる「コスタ・セレーナ」(11万4147トン)の定員は4100人で、函館に入る客船としては過去最多。
プリンセス・クルーズ社の大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5906トン)は、7回の寄港を予定。発着港(横浜、神戸)を除いた回数は2年連続で国内で最も多い。
また、若松地区で進められている大型クルーズ船の接岸に向けた岸壁工事が順調に進めば、今秋に西埠頭に入る予定の「シルバーシャドー」(2万8258トン)や「にっぽん丸」(2万2472トン)は、若松埠頭に初めて係留されることになる。
19年度は世界的に有名な英国の豪華客船「クイーン・エリザベス」(9万900トン)が入港を予定するほか、昨年市などがトップセールスを展開した米国のアザマラ・クラブ・クルーズ社は、3回の客船寄港を計画。最多入港回数の更新に期待が懸かる。若松埠頭供用開始後の目標として市が掲げる年間70隻の寄港にも一歩近づくことが見込まれる。
同部港湾空港振興課は「新規と繰り返し入港する客船が共に堅調で、多種多様な船が寄港している。寄港時のおもてなしを大事にして、今後もクルーズ船誘致に向けた取り組みを継続したい」としている。(山田大輔)