昨年8月に亡くなった旧函館東高校の美術教師で、創作凧(たこ)師として知られた梅谷利治さんの作品を使った凧揚げ会が4日、緑の島で開かれた。約50人が来場。梅谷さんが戌(いぬ)年にちなんで制作した連凧や龍などをかたどった作品が、教え子らの手によって新春の大空に願いとともに届けられた。
梅谷さんの連凧はいずれも独創的で、干支だけで3巡する作品を残した。生前の梅谷さんは凧に平和や愛、夢などを託し、新春の凧揚げを恒例行事としていた。今回の凧揚げ会では、24、12年前の戌年に合わせて制作した「カムイ闘犬」(1994年)「愛犬雪だるま」(2006年)を揚げたほか、巨大な龍の連凧なども揚げた。
札幌市の小学2年生伊藤音弥君(8)と弟の温音(あつと)君(6)は「連凧がたくさん揚がって楽しかった。凧に(体を)持って行かれそうになる感じが楽しい」と喜んだ。
梅谷さんの教え子で、企画した中田嘉明さん(60)=NPO法人体験塾SUMOCCA代表=は「天候と風にも恵まれ、梅谷先生の凧で夢と願いを空に上げることができた。函館の地域の皆さんと今後も凧揚げの活動を続けていきたい」と話していた。(今井正一)