JR函館駅前・大門地区の商店主らでつくる函館都心商店街振興組合(渡辺良三理事長)などは来年1月にも、同地区の景観形成を議題とした「まちづくり検討会議」を開く。同地区は飲食店の出店が相次ぎ、店の大きな壁面広告が街のにぎわいを創出している一方、景観に対する懸念も高まっており、「函館の玄関口」の景観整備のあり方について検討を始める。
同地区では2015年に老朽化したアーケードが撤去され、電線の地中化や「はこだてグリーンプラザ」の再整備が予定されているなど、市が掲げる「ガーデンシティ構想」に基づいた美しい街並みの形成が進められている。
一方で、北海道新幹線開業を契機に居酒屋を中心とした飲食店の開店が相次ぎ、色彩豊かで大きな広告看板が目立つようになった。ある地元政財界関係者は「函館の顔とも言える駅前通りは空き店舗が減ってにぎわいが出てきた半面、おしゃれな函館のイメージが崩れてしまう」と漏らす。
市の屋外広告物条例には、広告物の彩度に関する規制はあるが、歴史的建造物が立ち並ぶ西部地区の一部に限っており、商業地の駅前地区には適用していない。こうした中、地元商店街などでは、ここ数年休止していた同会議を再開し、地域の景観形成を含めたまちづくりの協議を始める。
会議にオブザーバーとして参加する市は「他都市の事例などを示しながら、駅前地区の景観保全の方向性を協議していただき、市としてどのような対応ができるか考えたい」(まちづくり景観課)としている。(金子真人)