低気圧が急速に発達しながら北海道付近を進んだ影響で、25日の渡島・桧山は暴風雪で大荒れの天気となった。JRでは八雲町内で強風による影響で函館-札幌間の特急が運休するなどの影響が出た。26日も引き続き大雪となる見込みで、交通障害に注意が必要となっている。
函館地方気象台によると、各地の最大瞬間風速は奥尻空港で35・5メートル、江差町とせたな町で31・0メートルを観測。このほか渡島の東部・北部で風速10~15メートル、渡島西部で風速15メートル前後、厚沢部を除く桧山で風速20メートル以上の風が続いた。
この影響で、JR函館線黒岩-国縫間で倒木が発生し、函館-札幌間の特急上下計10本が運休したほか、最大で8時間15分の遅れが出た。JR函館駅では、午後0時16分発の予定だった札幌行きの北斗11号で約300人の乗客をいったん乗せたが、出発の見通しが立たず、約1時間半後に下車させた。外国人客も多く、払い戻しを求める列がみどりの窓口のほか、ホーム側にも伸びて、一時混雑した。
24日のGLAYのライブに参加した札幌市の会社員の女性(40)は「職場には26日は出勤できないかもしれないと連絡した。最終の特急が動かなければ北斗市内の友人に泊めてもらいます」と話した。
このほか、函館空港発着の航空3社は東京や丘珠便など合わせて6便を欠航し、計813人に影響。津軽海峡フェリーは函館―青森間など8便を欠航し、計300人に影響した。ハートランドフェリーは江差―奥尻間全便を欠航し、計50人に影響した。
渡島総合振興局によると、管内では午後5時までに強風による屋根の剥がれなど住家被害が函館で3件、非住家被害では函館市で物置の倒壊など3件、北斗市では茂辺地小・中学校で倒木により電柱が倒れ、停電する被害があった。
桧山振興局によると、管内では午後5時までに、住家被害が江差町で1棟、奥尻町で3棟、今金町で1棟、せたな町で4棟の計9件あった。また、江差町商工会の外壁の破損、奥尻町での電柱の破損3件など、非住家被害が計9件あった。両管内ともにけが人などの人的被害はなかった。
同気象台によると、渡島西部、桧山全域では27日にかけて高波に、合わせて桧山南部と奥尻島では猛吹雪や吹きだまりによる交通障害、暴風に警戒を呼び掛けている。26日に予想される最大瞬間風速は桧山南部と奥尻島の陸上で35メートル。波の高さは渡島西部と桧山地方で7メートル。