来年1月に東京と神奈川で開かれる「第19回ショパン国際ピアノコンクール in ASIA」の全国大会に、青森地区大会で好成績を収めた笠島康生さん(函館中部高校1年)と茂呂玲奈さん(函館北中学校2年)が出場する。ともに初めて全国レベルの大会に参加し成し遂げた快挙で、さらなる上位ステージの「アジア大会」進出を目指して練習に励んでいる。
同コンクールは、ポーランドで5年ごとに開催される世界最高峰の腕を競う「ショパン国際ピアノコンクール」とは直接関係がないが、アジアから国際レベルの優れた演奏家を発掘・育成する目的で毎年開催。日本国内38カ所で地区大会を行い、各部門の上位入賞者が全国大会に進出。さらにファイナルステージとしてアジア大会の場が用意されている。
今回、道南から地区大会を突破し全国大会に出場を決めた笠島さんと茂呂さんは、ともに函館在住のピアノ講師・伊藤亜希子さんの下で研さんを積んでいる。
笠島さんは高校生の部で最高位の金賞を受賞。本格的なコンクールに挑戦するのは初めてだったが、自ら選曲した「スケルツォ第1番」を「いざステージに立つと緊張せずに演奏することができた」と満足の様子。全国では「エチュード作品25の10」も課題曲に加わるが「音楽の楽しさを観客に伝えられるように頑張りたい」と意欲を見せる。
茂呂さんは中学生の部で銀賞を獲得。「大好きなのでどうしても弾きたかった」という難曲「ポロネーズ第5番」を堂々と弾ききった。伊藤さんも「あの複雑な作品をしっかり演奏したのには驚いた」とたたえる。全国では「エチュード作品10の9」にも挑戦。「自分の力を出し切りたい」と意欲を見せている。
伊藤さんは「2人とも音楽が大好きで、楽しみながら演奏しているのが素晴らしい。全国大会のレベルは高いが、刺激を受けながらさらに飛躍する場にしてほしい」と期待している。
同コンクールの全国大会は1月3日~11日に昭和音楽大学(神奈川)などで実施。上位入賞者は7日~16日に同会場などで開かれるアジア大会に出場する。(小川俊之)