国産第1号の復元ストーブがある箱館高田屋嘉兵衛資料館で25日、火入れ式が行われた。関係者や近隣の小学生ら約50人が集まり、冷えた体を温めながら先人の苦労に思いをはせた。
11月25日の「ストーブの日」に合わせ、市民有志でつくる実行委が毎年開催。箱館奉行の命を受け、国内初のストーブが1856(安政3)年のこの日に函館で試しだきされたといい、1988年の復元以降、年1回ストーブに火をともしている。
火入れ式で石塚大実行委員長は「ストーブがあったからこそ、先人は寒い北海道の冬を乗り越えることができた。思いを寄せながら冬の始まりを感じて」とあいさつ。同館の酒井賢佑館長が、火打ち石を使った昔ながらの点火方法や歴史を紹介した。
着火後、まきが赤々と燃えるストーブに手をかざした子どもたちは、歓声を上げながら暖をとった。函館弥生小学校2年の小栗琉斗君(7)は「火打ち石から火花が出てびっくりした。ストーブは火が勢いよく燃えていて、体がとても温かくなった」と笑顔で話した。(山田大輔)