老朽化が進む函館市末広地区の港湾施設の整備工事が本格的に始まった。函館市は来年度末までに岸壁を改修し、遊歩道などを新設する計画。金森赤レンガ倉庫などが並ぶ人気の観光地を快適に散策できる環境を整え、ベイエリアのさらなる魅力度向上を目指す。
事業地は「函館西波止場」の店舗裏周辺から東浜桟橋(旧桟橋)の手前までの岸壁約220メートル。周囲約4000平方メートルにはベンチや照明を置いて遊歩道を整備し、植栽で緑地化を図る予定で、緑豊かで美しい街並みを実現する「ガーデンシティ函館」構想にも組み込まれている。
昨年、測量や設計が完了したことを受け、市は本年度、事業費として3億2950万円を充てて今秋から岸壁の改修工事に着手。現在は海底の掘削や護岸工事を進めている。
かつてのフェリー乗り場の面影が残る同地区の岸壁は、1993年の南西沖地震で被害を受けて以降、一部が立ち入り禁止になるなど老朽化が進行。2005年度に策定した函館港港湾計画に盛り込まれるなど、早くから整備の対象エリアとなっていた。
工事の完了は来年度末を予定。海岸近くには階段状のウッドデッキを設置し、市民や観光客が海を眺めながら休憩できるようにする。市港湾空港部港湾課は「ベイエリアの魅力を高め、大勢の人がベイエリアで快適な時間を過ごせるようにしたい」としている。(山田大輔)