JR北海道は7日、2016年度の線区別収支状況を発表した。北海道新幹線(新函館北斗~新青森間)は54億600万円の赤字となり、同社が15年12月に公表した16~18年度平均の単年度収支想定より赤字額が6億円超過した。
営業収益は116億5300万円、16年度から3年間の平均収支想定から5億5300万円上回ってはいるが、開業1年目としては厳しい数字。
16年度の利用者数は226万3000人で、在来線と新幹線を合わせた前年度実績と比べて、1・6倍の増加となった。一方で、旅行商品や訪日外国人向けの定額乗り放題パスなどの割引によって単価が下がり、収益が伸びなかったとみられる。
営業費用は170億5900万円で、3年間の平均想定を10億5900万円オーバー。青函トンネル内の排水ポンプの電力費や高圧ケーブルなど老朽化設備の維持更新費、貨物列車と共用走行するための三線軌条の維持コスト、短区間開業による割高な保守費用など北海道新幹線固有のコストが膨らんだ。
同社は「多くの方に利用していただいた一方で、1人当たりの単価が伸びなかった。冬期に向けて乗車数も落ち込んでいるので、地元の方にも乗っていただけるよう、今回の結果を踏まえて営業施策を展開していきたい」としている。(金子真人)