函館マラソン大会実行委員会と函館大は25日、7月2日に開催した「2017函館マラソン」の市内への経済波及効果が5億6000万円だったとする試算結果を明らかにした。初めて試算し、市の補助金(3600万円)に対し約15倍の効果があったことが分かった。
選手を対象にしたアンケート結果を基に算出。参加者と同行者(市内参加者除く)が宿泊や飲食、交通、土産などに消費した総額を2億5000万円と計算。生産誘発倍率1・49を乗じた額を3億8000万円とした。消費金額を居住地別にみると、合計平均で函館市は1000円、市外道内は2万円、道外は4万円程度だった。
これに、警備費など事業費1億2000万円を市産業連関表に入れ込んだ1億8000万円を加え、合計で5億6000万円となった。
アンケートには函大の大橋美幸准教授(社会学)が協力。ハーフ3653人、フル3310人にアンケート用紙を配り、大会後に郵送で回収した。有効回収数は1716人、回収率24・6%だった。
大会の満足度を11項目について尋ねたところ、全項目で昨年を上回った。沿道応援は満足が76・4%で、昨年より9・6ポイント増えた。救護体制は満足が72・4%で14・7ポイント増。大会公式ウェブサイトも15・6ポイント増の66・9%が満足と答えた。
今後の改善点として、競技場の荷物置き場での対応が指摘された。セキュリティー面を考慮し、荷物の引き渡しを対面方式にしたため、受け渡しに時間が掛かったという意見が多かった。おもてなし運営やエイド運営については品目によっては数が足らず、食べられなかったという不満の声も。制限時間はフル(5時間)に関して延長を望む声があったが、市民生活への影響を考慮し、中長期な課題として延長を慎重に検討する考えだ。
市教委スポーツ振興課は「ランナーの意見が昨年より良い方へ傾いており、喜ばしい。課題を解決し、大会の満足度を高める努力をしたい」としている。(山崎大和)