第48回衆院選は22日、投票が行われ、道8区(渡島・桧山管内)は即日開票の結果、無所属前職の逢坂誠二氏(58)が12万5771票を獲得し、4回目の当選を果たした。前回比例で当選した自民党前職の前田一男氏(51)=公明、新党大地推薦=は比例復活にも届かず、無念の落選となった。全国的に与党勢力が大勝した中、道内小選挙区は自民・公明党が7議席、立憲民主党など野党が5議席と分かれた。投票率は8区全体で60・41%。函館市は58・10%と伸ばした。(衆院選取材班)
当 125,771 逢坂 誠二 58 無・前
101,243 前田 一男 51 自・前
(確定)
逢坂氏は民進党から出馬を予定していたが、同党と小池百合子東京都知事率いる希望の党との合流を拒み、民進リベラル派らが設立した立憲民主党に入党しながらも無所属での出馬を表明。共産党との候補者調整の末に、野党統一候補として出馬した。
ハンディを背負いながらも、これまでと同様に支持団体の連合や傘下労組の支援を受けた組織戦を展開。候補者を取り下げた共産党も支援に回り、前回(2014年12月)から約2万7000票上積みして議席を守り抜いた。
選挙戦では大間原発(青森県大間町)の建設凍結に向け、海外視察を重ねて脱原発政策を精力的に学んだ点をアピール。「どの候補が具体的な行動を取っているか」と行動力を前面に出して支持を呼び掛けた。安倍晋三首相の政治姿勢を「立憲主義、民主主義を破壊している」と批判、「安倍政権を倒すための戦い」と位置づけ、自民批判票を取り込むとともに無党派層にも浸透した。
前田氏は2012年に小選挙区で初勝利。前回は逢坂氏に約6400票差で敗れるも比例復活で辛くも議席を守り、今回は小選挙区での勝利を目指した。
2期目の実績として、函館駅裏の若松埠頭(ふとう)のクルーズ船岸壁整備着手、道縦貫自動車道大沼公園インターチェンジ(IC)-七飯ICの着工、函館港幹線臨港道路湾岸線(臨港道路)の2期工区完成など、各種インフラ整備に尽力したことを強調。建設、水産、商工団体などが手厚く支持した。
公示後には小泉進次郎氏、工藤寿樹函館市長、高橋はるみ知事や所属派閥の細田博之会長ら大物弁士が続々と応援に駆け付け、新党大地の推薦も得たが、序盤の出遅れを取り戻すには至らなかった。大間原発の建設凍結では「政権中枢に地元住民の声を届けている」と主張したが、核燃料サイクル政策を進める自民党との相違を埋めきれず、最後まで支持が広がらなかった。前回から逢坂氏にさらに票差を開けられ、比例復活もならなかった。