衆院は28日招集の臨時国会冒頭に解散し、道8区(渡島、桧山管内)でも事実上の選挙戦に突入した。10月22日の投開票まで24日間の短期決戦で、候補予定者は東京から函館に戻ったり、街頭演説をしたりと、慌ただしさが増した。民進党は候補を立てず、小池百合子都知事が代表を務める希望の党に公認申請することを決め、民進党前職の逢坂誠二氏(58)も希望からの出馬が有力視されている。(衆院選取材班)
民進合流 構図なお流動的
民進党は同日の両院議員総会で、同党は公認候補者を立てず、希望の党に合流する前原誠司代表が提案した方針を了承した。逢坂氏は取材に「党の意向も踏まえて判断する」と述べるにとどめた。29日に函館へ戻り、民進党北海道第8区総支部が同日午前11時から、道南労働福祉会館で開く緊急会合で支部役員、選対関係者、各級議員、後援会役員などに説明し、意見を聞いた上で最終判断する。
また、民進、共産両党が進めてきた野党候補者一本化の枠組みが不透明となり、決定まで流動的な要素が残っている。逢坂氏は「丁寧に説明したい」と話し、野党共闘に含みを残した。
逢坂氏は解散に関し「安倍1強政治の継続か否かが争点だ。地元では大間原発(青森県大間町)の建設問題。凍結に向け国内外で具体的な活動をしていることをアピールしたい」と強調。陣営幹部は「出方がどうであれ、逢坂氏を応援する形に変わりはない」と気を引き締める。
「実績訴えるのみ」 自民・前田氏
自民党前職の前田一男氏(51)は、解散を受け夕方に空路で帰函。「道南の将来を左右する大きな選挙。飛行機の窓から函館を眺め、地域のために力を尽くす決意を新たにした」と語気を強めた。
民進党が希望の党に合流したことについては「まだ詳細は分からないが、相手がどうであれ政権与党の議員としてこれまでの実績をしっかり訴えるのみだ」ときっぱり。
29日は後援会幹部を集めて会合を持ち、選挙体制を確認。女性支持者が参加する30日の集会に続き、10月1日に本町で事務所開きを行う。
「自公政権に対案」 共産・本間氏
共産党新人の本間勝美氏(48)は28日、市内7カ所で街頭演説を行い、消費増税中止や憲法改正阻止など党の政策を訴えた。
「自公政権への対案を示し、共産党が掲げる本物の改革を訴えていく」と強調。希望の党について「憲法改正を進める自民党の補完勢力にほかならない。改憲勢力を少数派に追い込んでいく」と力を込めた。
取材に対し、民進党が希望の党に合流を決めたことについて「希望の候補者と組むことはない」と断言。ただ、逢坂氏が無所属で出馬する場合は「これまで通り共闘を進めていくことになるだろう」と述べた。