3連休2日目の12日、函館・道南はあいにくの雨となったが、観光地は道内外の観光客や帰省客でにぎわった。書き入れ時を迎えたJR新函館北斗駅前のレンタカー店も、北海道新幹線が到着するたびに利用客で混雑した。
屋内で釣ったスルメイカをその場で味わえる函館朝市「えきに市場」の名物「元祖 活いか釣堀(つりぼり)」は、午前5時半の開店前から客が訪れる盛況ぶり。11日は釣り堀に入れたスルメイカ320匹が完売し、12日は340匹に増やして対応。担当する小野寺透さん(56)は、1日300匹以上のイカをさばくという。価格は時価で、同日は1匹1160円。「雨だからなおさら。13日が一番混み合うのでは」と小野寺さん。札幌市から訪れた中学1年の成田悠雅君(13)は「刺し身は新鮮でおいしい。硬いところと軟らかいところのバランスが絶妙」と話していた。
金森赤レンガ倉庫を中心とするベイエリアも、傘を差して散策する観光客の姿が見られた。この日の函館の最高気温は5月下旬並みの17・6度(平年値26・0度)までしか上がらず「肌寒い」と口にしながら、長袖やジャンパーで防寒対策をする観光客が目立った。
新函館北斗駅前のレンタカー店は大忙し。ニッポンレンタカーでは、ピークの11日に1日約60台が稼働。東北や関東方面からの家族連れやカップルが多いという。駅レンタカーでは期間中1日最大50台の予約があり、笠原久生店長は「開業年と比べると7割程度で、想定よりやや少ないが、列車の到着に合わせ一度にお客さまが来るので忙しい」と話す。
家族で訪れた仙台市の会社員槇原和弘さん(41)は「札幌や富良野まで足を伸ばし、広い北海道を楽しみたい」と笑顔で話した。
一方、レンタカー7店がしのぎを削る同駅前では12日、輸入車販売のタジマモーターコーポレーション(東京)が、同社初となるフランス製乗用車専用のレンタカー店を開業。プジョーやシトロエンの新車を9車種24台用意し、体に装着して撮影を楽しむウェアラブルカメラなどアウトドア用品も貸し出す。料金はコンパクトタイプで6時間7000円(税別)から。(山崎大和、山田大輔)