函館市は2016年度の市内中心市街地空き店舗状況をまとめた。函館駅前や本町地区などの対象2392店のうち、空き店舗は前年度比42店(6・5%)増の648店(27・1%)で、統計を開始した12年度以降最多となった。北海道新幹線開業効果で駅前通りなどに居酒屋の新規出店が目立っているが、人口減少などの影響で多くの店が集客に苦しみ、閉店に追い込まれている現状が浮き彫りになった。
市が委託した民間事業者が、昨年12月から今年3月に掛けて、①函館駅前・大門地区(5町)②本町・五稜郭・梁川地区(3町)③両地区を結ぶ市電沿線地区(5町)の3エリアの店舗を対象に現地調査を行った。
空き店舗数の内訳は、昼間飲食が同5店増の31店、夜間飲食が同15店増の413店、物販が同21店増の87店、サービスが同16店増の49店、不明が同15店減の68店。地区別では、本町・五稜郭・梁川地区が同34店増の289店と最も多く、函館駅前・大門地区が同4店増の247店、市電沿線地区が同4店増の112店となっている。
関係者によると、北海道新幹線開業効果による観光客の増加で居酒屋は好調だが、地元客をターゲットとしているスナックなどが集客に苦しみ、閉店に追い込まれるケースが目立つほか、インターネット通販の普及や大型量販店の進出により専門店が苦戦しているという。
市経済部中心市街地再生担当は「北海道新幹線開業などの効果で中心市街地に訪れる人は増えている。その人たちを集客、消費につなげていけるよう、商店街などと連携した取り組みを進めていきたい」としている。(金子真人)