日本パラ陸上競技連盟(パラ連盟=JPA)の強化指定選手の夏季合宿地に函館市が正式に決まったことが25日、分かった。函館でのパラ合宿は初めてで、8月16~24日(移動日を含む)の日程で選手20人、スタッフ10人の来函が予定されている。市は6月1日開会予定の市議会第2回定例会に、関係経費60万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を提出する。
候補地としての可能性を探るため、今年3月29日、強化指定選手の鈴木徹選手(走り高跳び、SMBC日興証券)が来函し、千代台公園陸上競技場と函館アリーナを視察。練習環境の充実に加え、空港から練習場や宿泊施設までの交通アクセスの良さを高く評価したほか、函館出身で昨年のリオデジャネイロパラリンピックに出場した辻沙絵選手の地元という要素もプラスに働いたとみられる。代表監督の近藤克之日大スポーツ科学部専任講師が最終判断した。
JPAの強化指定選手(今年1月17日現在)は男子20人、女子は辻選手を含む9人。立位短距離/跳躍ブロックと車いすブロックに分かれ、今回は立位短距離/跳躍ブロックの合宿地となる。陸上競技場とアリーナのトレーニングルームを使う。昨年までは、両ブロックとも深川市で夏季合宿をしていた。
市教委は選手、スタッフの市内での移動の足として車両4台を借り上げるほか、市民交流事業の開催に経費を充てる。スポーツ振興課は「東京パラまで4年間の継続を目指す。国内トップアスリートの競技を間近に見ることで、子どもたちに夢を与え、新たに競技を始める人が増えてほしい」としている。(山崎大和)