函館を代表する歴史祭り「第48回箱館五稜郭祭」(協賛会主催)が20日、2日間の日程で開幕した。初日はメイン行事の第30回土方歳三コンテスト全国大会が五稜郭タワーアトリウムで行われ、全国からエントリーした男女16人が迫真の演技を見せ、東京在住の車夫杉田晴信さん(29)が優勝した。
コンテストは函館の10人をはじめ、福岡や愛知、東京から18~50歳の16人(男性13人、女性3人)がエントリー。箱館戦争で土方が最期を迎える場面を、出演者自ら考えたアイデアでパフォーマンスを披露。容姿や声の通り、土方への思い入れ度などが審査され、昨年は3位だった杉田さんが2回目の出場で栄冠に輝いた。
杉田さんにとっての土方像は「さわやかな風に包まれた男」だという。妻の佐知子さんと練習を重ね、ともに出場した。土方に対する新しい解釈としてパフォーマンスの中に渡辺市造を登場させ、葛藤を表わす凛とした表情や心のこもった演技が高く評価された。杉田さんは「念願がかなって最高にうれしい。コンテスト出場を通じ、あらためて土方の素晴らしさを感じた。21日のパレードでは精いっぱい盛り上げたい」と話した。2位は千歳市の吉田達弥さん(33)、3位は愛知県の尾関宏治さん(32)だった。
21日は午後1時から「維新行列・音楽パレード」があり、本町の行啓通りでは旧幕府軍と新政府軍の壮絶な戦闘シーンが繰り広げられる。同3時から五稜郭公園特設ステージで「開城セレモニー」を行う。(山崎大和、三好若奈)