【七飯】桔梗ハイヤー(函館市桔梗、横田有一社長)は23日から、午後9時以降に函館市内から七飯方面に運行している「深夜乗合タクシー」の運行区域を町峠下地区まで延伸する。町民からの要望を受け、地域の二次交通充実に生かしたい考え。
同社は、2004年12月から深夜乗合タクシーを開始。一般の乗合バスが終了した午後9時以降、同社のタクシー車両を利用して運行。現在は市内4カ所の乗り場に立ち寄ってから、七飯消防署のある町桜町まで運行している。
今回の変更では、上藤城、藤城を運行区域に加えるほか、国道5号と道道96号が合流する峠下地区まで延伸する。
10本の便数と、停留所を出発する時刻は継続。消費税の増税時を除き、事業開始以降一律だった料金を最大で1人当たり80円値上げするが、本町地区で降車する場合は30円の値下がりとなる。変更後も通常のタクシー料金を4人で割った金額よりも低く設定しており、藤城、峠下地区降車の場合では、1人当たり320円ほどお得になっている。
乗合タクシーの利用実績は年々増加傾向にあり、05年度の2990人から、08年度に1万人を超え、昨年度は2万1695人を数えた。最近では3月24日の一夜で、過去最多の349人が利用しており、ニーズは高い。
上藤城、藤城地区の人口は1983年に1050人ほどだったが、2012年には約2100人と倍増。北海道新幹線の開業以降、峠下地区も含めて乗合バスの路線拡充などもあり、生活環境が整ってきている。町政策推進課は「町民が行動できる時間の幅が広がるので、(延伸は)ありがたい」とし、町内への移住、定住を促進する取り組みとしても期待している。
同社総括部長の日下部雅一さんは「地域に支えられている会社として、遠くのお客様のニーズに応え、利便性を向上したい」と話している。
詳しい料金などは同社ホームページで公開している。事前予約は同社(0120・47・1400)へ。(蝦名達也)