函館に人力車が帰ってくる―。業界大手の「えびす屋」(京都)が22日から、8年ぶりに函館での営業を復活させる。営業再開を望む地域の声に応え、外国人観光客の増加や北海道新幹線開業を追い風に西部地区を快走する。
えびす屋は現在全国の観光地9カ所でサービスを展開。函館店は2006年に営業を開始し、法被を着た「車夫」が歴史的建造物の立ち並ぶ西部地区を走る姿や快適な乗り心地、心温まるもてなしが人気を集めた。
だが、09年に利用客の低迷による営業不振が響き撤退。ただ、市民や観光関係者の存続を望む声は根強かった。08年に入社した門馬幸介さん(小樽市出身)が新聞記事でこうした声を知り、入社年が近い関川元太さん(石狩市出身)と「函館にオープンさせたい」と会社側に打診。前回営業時は直営だったが、今回は門馬さんと関川さんのフランチャイズ経営となる。
エリアは前回同様、西部地区やベイエリア周辺。人力車は新たに5台を導入する。現在車夫を募っており、今後門馬さんと関川さんを含め7~10人体制で営業したい考えだ。同社は「男性も女性も大歓迎。〝函館愛〟が強い人に来てほしい」としている。
事務所は豊川町に置く。店長となる門馬さんは「函館は人力車が似合うまち。函館に来た全ての人に楽しんでもらえるよう、観光大使のような存在でありたい」と話している。
営業は午前9時~午後8時(季節により変動あり)。区間料金は1区間1人3000円、2人4000円など。貸切料金は1人30分7000円など(いずれも税込み)。西部地区の名所を巡るコースもある。問い合わせ、スタッフ応募は函館店(0138・83・7618)へ。(稲船優香)