東京商工リサーチ函館支店がまとめた渡島・桧山管内の2月の倒産件数は、前年同月比5件増の6件で、負債総額は同7・7倍の5億9000万円だった=別表。1カ月に5件以上発生するのは7年9カ月ぶりで、倒産の大半を占めた建設業の苦境が浮き彫りとなっている。
6件のうち、建設関連が5件。業績不振と他社倒産の余波などによるもので、負債額の最大は木古内町の建設業で2億7000万円だった。
倒産の背景にあるのは公共工事の減少。北海道建設業信用保証(札幌)がまとめた本年度上半期の道南の公共工事請負金額は、前年同期比5・8%減の499億7000万円で、過去10年で2番目に低い水準となった。函館建設業協会の菅原徹副会長は「受注量はピーク時の20年前と比べると半分以下。同業間での競争が激化する中、経費削減策も限界で、今後もある程度の倒産は覚悟しなければならない」と、苦しい胸の内を明かす。
同支店は「北海道新幹線開業から1年を迎えるが、道南全体の建設業界はより厳しさを増している」と分析。先行きについて「建設業に加えて、原料高の影響を受ける水産加工業者も我慢の経営が続いている。2月のように5件前後の倒産が続くとは考えにくいが、小康状態から脱しつつあり、増加に転じる可能性がある」とみている。(山田大輔)