道南うみ街信用金庫(旧江差信用金庫)は、取引先企業60社を対象に行った今年の経営見通しに関する特別調査の結果をまとめた。景気が良いとする企業は全体の2割にとどまったほか、業況が上向く時期は、ほぼ半数が「見通しが立たない」と回答。北海道新幹線開業による経済効果が乏しく、厳しい経営環境が続いていることが浮き彫りとなった。
今年の景気見通しは、「非常に良い」「良い」「やや良い」と回答したのが合計で23%。一方、「やや悪い」「悪い」「非常に悪い」としたのが計37%で、「普通」は41%だった。同信金業務部は「新幹線効果の享受を受けるサービス、小売業でも慎重な見方をする企業が多い」と指摘。また、非常に悪いと回答したのがすべて製造業だったことを挙げ「水産加工業の深刻な業況が推察される」とした。
業況が上向く転換点については、「業績改善の見通しは立たない」がトップで45%。「すでに上向いている」を含め、1年後までとしたのは3割以下にとどまり、先行きの不透明感が増している様子がうかがえる。
昨年と比べた売上額の伸び率は「減少する」が53%で、このうち売り上げが3割以上落ち込むと予測する企業が半数を占めた。「増加する」は15%、「変わらない」は32%だった。
また、日銀が昨年2月に導入したマイナス金利政策の影響は、「どちらともいえない」が最多で52%。「悪い影響がある」が35%、「よくわからない」が8%で続いた。
調査は、昨年10~12月の「景気動向調査」と併せて行われ、全企業から回答を得た。(山田大輔)