合同会社「箱バル不動産」(蒲生寛之代表)は29日、リノベーションプロジェクトを進める伝統的建造物(伝建)「旧仁壽生命函館支店」(末広町18)をオープンハウスとして一般公開した。再生工事に入る前の現状やプロジェクトを知ってもらう取り組みで、多くの市民らが来場している。30日まで。
建物は、伝建指定部分の主屋と土蔵をテナントビル「大三坂ビルヂング」として再生し、奥の住居部分はゲストハウスとして改修する計画。12月のオープンを目指し、2月から工事が本格化する。ゲストハウス部分は登録制で改修作業を手伝ってもらうサポーター制度の導入を検討している。
建物は老朽化しているが、天井の装飾などに建設当初の面影を色濃く残している。来場者は旧仁壽生命時代から使われていた大きな金庫や建具に感嘆の声を上げ、プロジェクトの今後にも関心を寄せた。
年に数回、函館を訪れるという横浜市の会社員留分敦さん(58)は「かなり傷んでいるので建物を修復してテナントを募集してという取り組みは簡単なことではないが、クラウドファンディングによる資金調達をするようなことがあれば応援したい」と話していた。
蒲生代表は「『函館の観光にとって、こうした建物を残さないとなりませんね』と期待の声を掛けてもらっています」と話していた。
30日も正午から午後3時まで見学できる。(今井正一)