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亡き夫のイカ専門店守る 富田鮮魚店、妻と娘2人で再出発

 はこだて自由市場(函館市新川町)唯一のイカ専門店「富田鮮魚店」。昨年10月に急死した夫の貞雄さん(享年68)の跡を継ぎ、妻の和子さん(67)が長女の綾子さん(40)、次女の高橋智子(さとこ)さん(37)とともに切り盛りする。亡き店主の遺志を受け継ぎ、イカ一筋の商売を守る。
 「ヤリイカ安いよ」。和子さんの威勢のいい声が店頭に響く。注文を受けると、見事な手さばきでその場で刺し身にして客に手渡す。今も昔も変わらない、鮮魚店らしい仕事風景だ。
 同店は1951年創業で、貞雄さんが2代目。他の仕事に就いていた娘2人も店を手伝うようになり、家族4人で老舗の看板を守ってきた。
 昨年10月、貞雄さんが病気で亡くなった。「お父さんは非常にきっぷがよく、ちょっと短気なところもあったけど、お客さまに親しまれていた。商売人としては最高だった」と和子さん。「本当に急だったので、心の準備ができていなかった」と突然の悲しみを受け入れられず、茫然自失の日々が続いた。
 綾子さんが、貞雄さんの生前に跡を継ぐことを伝えていたことから、和子さんが店主となり、ゆくゆくは綾子さんに経営を引き渡すことを念頭に、親子3人で新たなスタートを切った。
 今季はスルメイカが空前の不漁となり、小売店も苦境に陥った。和子さんは「イカは価格が高いイメージがあり、消費者からは敬遠されがち。正直経営は楽でない」と打ち明ける。
 毎日午前3時半に起床し、和子さんと綾子さんの2人で函館市水産物地方卸売市場へイカを仕入れに行く。早朝から夕方までは店頭に立つ。綾子さんは「みんながいるので、助けられながら仕事をしている」と話す。和子さんは「今年はイカの豊漁を期待して頑張るしかない」と決意を込める。
 貞雄さんは生前、常に笑顔で接客することや「頭は下げるためにあるんだよ」と商売の本質を語っていたという。和子さんは毎朝欠かさず、貞雄さんの好きだった温かい緑茶を仏前に供え、こう唱える。「お父さん、力を貸してね」(山崎大和)










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