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道南スルメイカ漁、過去最低更新確実

 記録的な不漁だった今季の道南スルメイカ漁がほぼ終了した。来年1月末まで続く漁で、今後漁獲の好転が見込めず、出漁する船がほとんどないとみられることから実質終了。函館市水産物地方卸売市場での生鮮スルメイカ取扱量は、2年連続となる過去最低の更新が濃厚だ。
 市農林水産部によると、漁解禁の6月1日~今月20日の同市場でのスルメイカ取扱量は前年同期を35%下回る1491トン。過去10年で最低の水準だ。今月1~20日は前年同期より86%少ない31トンしか水揚げがなく「イカが捕れないので、出漁していない船が多い。例年の傾向だと、これ以上極端に増えることは考えにくい」と同部。通年でも過去10年で最低だった2015年度の2315トンを下回る見通し。
 一方、平均単価(6月1日~今月20日)は1キロ779円となり、不漁だった前年同期を369円上回り、過去10年で最も高い水準。空前の高単価で漁期を終えるのは確実な情勢だ。
 スルメイカの取引価格が通常の3~4倍に高騰、水産加工業者が原料調達難に陥った。こうした状況を受け、経済産業省はイカの輸入枠を追加する方針を決めたほか、函館市や函館商工会議所も中小の加工業者を対象とする金融支援を始めた。
 道総研函館水試の澤村正幸研究主査は「道南への南下群の来遊も結局、漁獲量が伸びないまま終わった。今季の不漁は漁場形成の問題ではなく、太平洋側の資源量に問題がある。また、魚種交代(海水温の変動に伴い海の生態系が変わる)がクローズアップされるかもしれない。来季も太平洋側は注意が必要」と指摘している。(山崎大和)










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