〝仙台生まれの美味いもん〟を指す「伊達美味」の一つ、ずんだ餅は茹でた枝豆の身を潰し砂糖を混ぜて餅にまぶす仙台地方に古くから伝わる郷土菓子。夏になるとどの家でも作られていた。昭和23年創業の「エンドー餅店」で作られる「極みづんだ餅」は石巻市の契約農家が生産する餅米「みやこがね」と、栗原市の農場が減農薬・減化学肥料栽培する枝豆「秘伝豆」という県産品100%を原料に、砂糖と塩のみで味付け。つぶつぶの食感が残る餡は甘さ控えめで、枝豆本来の濃厚な味と香りがダイレクトに伝わる。
■エンドー餅店
「生極みづんだ餅」は1個216円、5個1080円で、「冷凍極みづんだ餅」は5個1188円。先代からの教えでもある“素材を厳選し、より美味しいもの、安心安全なもの”をモットーに、三代目の細谷ひろみ社長がスタッフとともに丁寧に手作り。おはぎや大福、おこわなど素朴で家庭的な伝統の味を守っている。
●仙台市青葉区宮町4ー7ー26 022ー223ー9512 8:30~18:00木曜定休 P有り
市内にはおよそ100軒の専門店があると言われる、仙台発祥の牛たん焼き。仙台を中心に14店舗を展開する「喜助」は、昭和50年に創業し、「仙台名物」という文字を看板に初めて入れた店で、現在の牛タン人気を確立した立役者的な存在だ。肉質を吟味した牛タンを仕入れ、職人による昔ながらの手作業で仕込むのが喜助流。手間を惜しまず、カットした牛タンの状態を1枚ずつ見極めながら手で塩を振り、数日間熟成させる。かんだ瞬間に溢れる肉汁の後を引く旨みに箸がどんどん進む。
■味の牛たん 喜助 駅前中央店
麦飯、テールスープ、おしんこ、味噌南蛮が付く「牛たん炭火焼定食」(1674円)は、しお味、たれ味、みそ味の3種類から選べる。一皿にさまざまな部位を入れるため、牛タンをまるごと味わえるのもこの店ならでは。
●仙台市青葉区中央2ー1ー27エバーアイ3F 022ー265ー2080 11:00~22:00(21:30L.O)不定休 提携P有り(2,000円以上の飲食で1時間無料)
旅行者や地元の人が行き交うアーケード商店街で、明治25年から看板を掲げる「しまぬき」は、こけしを中心に東北の工芸品や民芸品を扱う老舗店。店内には多彩な作品や雑貨が所狭しと並び、一歩足を踏み入れた瞬間に心躍る。伝統こけしから現代風の創作系まで多種多様なこけしは、工人が一つ一つ手作りしており、同じデザインでも顔の表情が微妙に違うのが面白い。旅行土産にはもちろん自分へのご褒美にお気に入りを見つけて。
■彩りそえる しまぬき 本店
伝統こけしを缶詰にしたかわいらしい「こけし缶」(2052円~)は贈り物に人気。美しい「玉虫塗」は仙台生まれの塗の技法。こけしや伊達政宗騎馬像など同店オリジナルの絵柄(蒔絵)を用意する。
●仙台市青葉区一番町3ー1ー17しまぬきビル1F 022ー223ー2370 10:30~19:30 無休(1月1日のみ休み)提携P有り(3,000円以上購入で1時間無料)