青森県南東部の太平洋に面し、水産都市として全国有数の水揚げを誇る八戸市。その海岸沿い全長12キロに及ぶ三陸復興国立公園・種差海岸は、ウミネコの繁殖地として有名な蕪島や広大な天然芝生地などの絶景スポットが連なり、旅行者の目を楽しませる。
そんな海の街で近年全国的に注目を集めるのが「八戸前沖さば」。ブランド推進協議会が設定する約2カ月間に三陸沖以北の太平洋で漁獲され、八戸港に水揚げされるサバのみに限定され、特に550グラム以上の大型のものは「銀鯖」に認定される。その特徴は鮮度の良さと日本一とも称される脂の乗り。プランクトンが豊富な本州最北端の冷涼な漁場のため、ほかの海域に比べ脂肪が蓄積されるという。この希少なプレミアム銀サバのみにこだわるのがサバ料理専門店「サバの駅」。腸詰めソーセージや春巻き、チーズや酒粕を使ったみそ煮などの個性派を含め30種類の銀サバ料理を揃え、「素材がおいしいからどんな料理にもできる」とサバを知り尽くした沢上社長。中でも、今年、念願の「全国ご当地どんぶり選手権」グランプリに輝いた「八戸銀サバトロづけ丼」は、遠方からこれを目当てに訪れるファンが多い必食の逸品だ。
■サバの駅
特製しょう油ダレで漬け込んだ「八戸銀サバトロづけ丼」(中1200円、大1600円)は驚くほど生臭さやクセがなく、上品な脂の旨みのみが口中に広がる、これまでのサバにはない味わい。各地の催事でも人気が高い「銀サバの串焼き」(1本470円)。県内の酒造メーカーに注文した「オリジナル地酒(純米酒)」5本にはすべて“サバ”の文字が。飲み比べセットは1400円。
●八戸市六日町12 大松ビル1F 0178ー24ー3839 17:00~24:00(23:30L.O) 不定休
■八戸屋台村 みろく横丁
中心街に位置する三日町と六日町を貫くことから名付けられた「みろく横丁」はちょうちんの灯りに誘われ、ふらりとのれんをくぐりたくなる雰囲気。郷土料理を中心に多彩なジャンルの26店舗が軒を連ね、地元客から観光客まで幅広い客層で賑わう。
●八戸市六日町10 事務局 0178ー29ー0815(食の文化資料館「包」パォ)
■八戸港湾の夕日
八戸駅から車で約30分、種差海岸の最北、鮫町にある蕪島からの風景。大型船が次々と八戸港に帰港してくる様子はどこか哀愁を誘う。蕪島には弁財天が祀られ、信仰の島として古くから崇められており、縁結びにご利益があるパワースポットとしても知られる。