第15回夏季パラリンピック・リオデジャネイロ大会は8日目の14日(日本時間15日早朝)、オリンピックスタジアムで、陸上女子短距離(T45/T46/T47=片前腕切断など)400メートル決勝を行った。函館出身の辻沙絵選手(日体大4年、21)は1分00秒62で3位に入り、初出場で銅メダルを獲得した。オリンピック、パラリンピックを通じて道南選手がメダルを獲得したのは初めて。
今季世界ランキング(T47)3位(59秒72)で臨んだ400メートル決勝は、後半に向けて徐々にペースを上げ、最終コーナーで2選手を追い抜き、予選のタイム(1分01秒85)を約1・2秒短縮し、3位でゴールした。辻選手は5日目の11日(日本時間12日早朝)にあった100メートル決勝でも13秒30を記録し7位入賞を果たしていた。
函館市内では100メートル決勝に続いてパブリックビューイングが行われ、両親の正樹さん(54)、栄子さん(55)ら関係者約80人が力走を見届けた。メダルが確定すると大歓声に包まれ、万歳三唱で祝った。
終了後のインタビューで辻選手は「たくさんのものを犠牲にしてつらい練習も乗り越え、やっとつかんだのでうれしい」と語ると、応援に集まった関係者も涙を流して快挙を喜んだ。
辻選手はこのあと、200メートルにも出場する。
〈辻 沙絵(つじ・さえ)〉1994年10月28日七飯町生まれ、21歳。先天性前腕欠損で生まれつき右肘から先が欠損。小学4年生で函館鍛神小に転校し、5年生の時に同小のハンドボールクラブ「かやげクラブ」で競技を開始、函館本通中、高校は名門・水海道二高(茨城)に進みインターハイや国体に出場。日体大進学後、2年生の夏に陸上短距離転向への打診を受けた。(小杉貴洋)