5月28日に七飯町の駒ケ岳山麓で親からはぐれ、今月3日に鹿部町内の陸上自衛隊演習場の小屋で無事保護された、北斗市の男子(7)の行方不明事案について、道警は6日、男児から事情を聴き、事件性がないと判断した。男児の健康状態は良好で、7日午後に退院する。
函館中央署は6日正午前、入院先の市立函館病院で事情聴取。保護後初めての接触で、母親と医師が同伴し、5月28日に鹿部町の公園に遊びに行ったところから、6日ぶりに小屋で発見されるまでの様子を聞いた。
男児ははぐれてすぐに歩いて、その日のうちに遭難場所から直線で約7キロ離れた自衛隊の小屋に着いたという。道のりは不明で「休み休み歩いた。到着したころには暗くなっていた。四角いところに『2』があった。戸が開いた」と述べ、3日に自衛隊員に発見されるまで「誰にも会わなかった」としている。
夜は小屋にあった「白いもの(マットレス)で寝てました」。昼間は外に出たりし、ヘリが飛んでいたことを把握していた。5月30日に自衛隊関係者が小屋を確認したときには男児の存在に気付かなかった。近場に出ていたか、2枚のマットレスに挟まるなどしていたため、互いに分からなかった可能性がある。
同署は心理的虐待の疑いがあるとして函館児童相談所に通告済み。今後、情報提供を求められた場合に協力するが、道警としては捜査せず、両親への注意もないとしている。
男児の両親は5月28日午後、言うことを聞かせるためのしつけとして、七飯町の駒ケ岳山麓で男児を車から降ろした。両親は当初「山菜採りではぐれた」と通報していたが、後に家庭内教育の一環と判明。父親は保護後、「行き過ぎたところがあった」と大和君に謝っていた。