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「出面さん」足りない 農業現場人手確保に苦戦

 繁忙期を迎えた道南の農業現場が、農作業を手伝うスタッフ不足に直面している。働き手の高齢化や他業種への人材流出、通年で仕事がないことなどが敬遠される理由だという。産地では機械化が進んでいるとはいえ、野菜の収穫には熟練した手作業が欠かせない。自治体やJAは、無料職業紹介所を設置し、求職者の登録を呼び掛けているが、抜本的な解決策はないのが現状だ。

 道内では「出面(でめん)さん」と呼ばれる農作業アルバイトで、農家の労働力を補完する役割を担う。特に長ネギやトマト、ニラなど野菜生産が盛んな渡島管内では、収穫や出荷にあたり細やかな手作業が重宝がられる。

 「需要はあるのに供給が追いついていない」。JA新はこだて大野基幹支店の担当者はため息をつく。同支店は昨年7月、農家の労働力確保に向け無料職業紹介所を開設。JAが仲介役となり、新たに働き手を必要とする組合員にあっせんする仕組み。今年も、5月9日から北斗市や函館市の主婦らの求職者登録を受け付けているが、登録者数は思うように伸びない。担当者は「農作業にはどうしてもマンパワーが必要だが、募集しても人が集まらない。パートの高齢化も進んでいる」と危機感を募らす。

 北斗市も、2006年度から無料職業紹介所を開設している。市民限定で農林漁業で働きたい人を受け付けており、15年度実績は求職申し込みが過去最低の49人となった。求人申し込みが前年比84人減の138人、紹介(延べ)が同61人減の56人。情報共有を強化し、より円滑な職業紹介を行うためJAと市は今年、業務提携を結んだ。求人情報と求職情報を互いに疎通させ「求人ニーズと求職者の希望を、うまくマッチングしたい」(市水産商工労働課)。

 北斗市内のある農家(57)は「他業種の雇用状況が良くなったことに加え、年間を通じて仕事がないことや、肉体的にきつい仕事であることが背景にある」と指摘。外国人研修生を受け入れる手もあるが「最低賃金法が適用され、宿泊場所の確保、年間雇用が求められるなど課題も多い」と話す。

 渡島総合振興局は「水産加工業や、北海道新幹線の函館新幹線総合車両所(七飯町)などで仕事量が増え、人材が流れていると考えられる。農家は人をやりくりしてぎりぎりの労働力で作業しているのが現状で、野菜産地の維持にかかわる重要な問題だ」(農務課)と頭を抱えている。(山崎大和)










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