臥牛山5月10日・函館さくら友の会
2月から日本列島を北上していた桜前線も、間もなく根室地方にゴールしようとしている。この間、どれだけの人を魅了したことだろうか。全国的に知られる名所にはツアー観光客らが押し寄せた▼おかげさまでというか、北海道新幹線が開業したばかりの函館・道南も。満開時期がなんとか大型連休にかかり、例年に増して訪れる人が多かったよう。あらためて桜が持つ力に驚かされるが、その一方で課題も▼木をどう守っていくか、それは函館も例外でない。「地域の桜の保護保全活動を通して桜文化を後世に伝えよう」。本紙も報じたが、日本さくらの会桜守(さくらもり)の浅利政俊さんを中心に、1日、函館桜友の会が結成された▼函館には貴重な桜がある。函館公園の120年前に植えられた桜もその一つ。道内のソメイヨシノの元祖的な存在とも言われるが、傷みが激しく、対策が急がれるという。ほかにも老木は少なくない。放っておいては…▼ただ、桜の手入れには大変な労力を要する。詳しい専門家も少ない。時間もかかる。それだけに友の会に寄せられる期待は大きいが、その輪を広げるために欠かせないのが行政の理解と後押し。函館・道南の桜にはそうするだけの価値がある。(A)