北海道新幹線開業によって、函館をはじめ道南の食品に注目が集まっている。開業前後の開催は一段落ついたが、青森産品と組み合わせた催事も多く、今後は夏、秋に向けた商談機会が本格化する。今月中旬には国内中堅スーパーの協業組織「CGCグループ」の大商談会が都内で開かれ、青函両地域の商品を集めた特設コーナーが注目を集めた。
市経済部商業振興課によると、昨年度、函館・道南産の商品を集めた大手スーパーによる催事は13開催、1547店舗。市と包括連携協定を結ぶイオングループやイトーヨーカドーなどの大手で、全国や主要エリアの店舗網で好評を得た。さらにチェーンの店舗数自体は小規模だが、各地域に根付いたスーパーでも新幹線開業に合わせて2、3月に催事が集中。東北や関東、四国、九州まで20のローカルスーパーで437店舗を数えた。
今月19、20の両日に、CGCグループが東京ビッグサイトで開いた大商談会では函館、青森の特集コーナーが設けられた。CGCは道内ではアークスグループなど全国約220社、約3900店が加盟する一大組織で、2日間で1万2000人のバイヤーらが来場。卸業者を通じて、函館からは水産加工品や飲料、ラーメンなど約90品目が集められた。市もミスはこだてを参加させるなどPRに協力した。
一方、市内では27日、マックスバリュ北海道が6月に全道77店で3日間の開催を予定する「函館・道南フェア」に向けた商談会が函館朝市ひろばで開かれ、道南の約30社が商談に参加。今回は道南いさりび鉄道の応援を兼ねて、沿線の木古内、北斗、函館の商品を集めたコーナーも企画するという。
同社商品本部渡島エリアマネジャーの森昭文さんは「新幹線開業で生まれた新商品に注目している。『地元イコール安全・安心』の意識が強く、地域の商品は喜ばれる。フェアで扱った商品が常設品になるケースもある」と話していた。
同課は、大手、ローカル問わず、地場企業にとって催事への出品が継続取り引きにつながるチャンスだとし「新幹線開業で新たな動きが生まれた。必ずしもすべての企業に大手の需要に応えられる生産体制があるわけではないため、ローカルスーパーとの取り引きの道筋もつけていきたい」としている。(今井正一)