【北斗】函館水産高校(三ツ石茂之校長)3年の石田雅一君(18)と2年の橋野丞矢(じょうや)君(17)が、海運や船に関する新聞を制作する2015年度「ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞」(日本海事広報協会主催)の佳作に入賞した。昨年の戦後70年に合わせ、1945年7月14日に函館空襲で戦没した駆逐艦「橘」を通じ、平和を考えた活動が高く評価された。
佳作は全応募作品46校593点の中から、小学生部門10点、中学生部門11点、高校生部門3点が選ばれた。同校は初めての応募で入賞という好成績を収めた。
2人は「駆逐艦『橘』から学ぶ」と題し、A3版2枚の新聞スタイルで応募。昨年7月に、橘の乗組員だった三留直高さんと堀口賴秀さんに函館でインタビューした様子や、同10月に函館で開かれた第59回全道高校新聞研究大会で、橘の調査・研究内容を発表したことなどを記事にまとめた。
石田君は「元乗組員の取材が印象深い。私たちの世代になると戦争の話を聞く機会がほとんどないので、生の声を聞けたのが何より勉強になった」、橋野君は「テレビのニュースでしか知らなかった戦争について、体験者の声を聞いて心を打たれた」と振り返る。
橘に関する調査は、生徒の有志活動「北のくにづくり2015」として2人が中心となり、我妻雅夫教諭が指導。09年度に当時の1年生が始めたのが最初で、地域とのつながりを大切にしながら、活動を継続してきた。
新聞づくりに関し、石田君は「どうすれば相手に上手く伝わるかを考えるのが難しかった」、橋野君は「取材のとき、知らないことがいっぺんに入ってきて苦労した」という。
2人は「節目の年に、みんなに戦争について考えてもらう良い機会になったと思う。後世に伝えていくことができれば」と意気込む。石田君は今月1日に同校を卒業し、同校専攻科機関科(2年間)に進む。船乗りを目指しながら、大戦史の研究を今後も続ける考えだ。(山崎大和)