「爆買い」を朝市にも―。道運輸局は6日、外国人旅行者を対象に、土産品の販売促進に向けた実証実験を始めた。水産物の検疫情報やクレジットカードの利用可否を周知するチラシを配布するとともに、朝市の課題を探るアンケートを行い、売り上げの拡大を目指す。
検疫の対象は国によって異なる上、自国に持って帰れるかの判断が難しく、観光客が購入をためらうケースが多い。リーフレットは、台湾と香港向けの2種類を作り、どの品目が持ち帰り可能かを写真で説明。裏面には函館朝市協同組合連合会(井上敏廣理事長)に加盟する、約150店でクレジットカードや中国で広く普及する「銀聯カード」が使える地図を載せた。英語版と中国語版(繁体字、簡体字)を合わせて8000部作成した。
アンケートは朝市への来訪目的や買い物に必要なサービス、支払い方法などを問う。この日は、調査員4人が外国人旅行者の水産物購入をサポートしながら、50人分を回収した。調査員の一人、道国際交流センター(HIF)の藤井花さんは「春節期で中国本土の客が多く、『持って帰りたいが送り方が分からない』『試食がしたい』『買ったものをその場で食べたい』など多様な意見があった」と話す。
アンケートは台湾と中国の直行便就航日の8、11、12日に行い、200人分を回収する。今月下旬には販売店にもアンケートを実施予定。同連合会の松田悌一事務局長は「店側と旅行者側の両方の意見を集め、朝市の根本にある悩みを解消できれば」と期待を寄せる。函館運輸支局の村上浩之首席運輸企画専門官は「旅行者の満足度アップにつなげるとともに、結果は函館でとどめずに道内、全国に波及させたい」と話していた。(稲船優香)